皆さんは、ご自分の平熱を知っていますか? 健康的な人であれば、平熱は36.5~37.0度程度といわれています。ところが今、平熱が36.0度以下という「低体温」の人が若い人を中心に増えています。低体温の状態では免疫力は低下し、その状態を放置しているとさまざまな病気が発症しやすくなるといわれています。今回はそんな“体温と免疫力の関係”、さらには“冷え性対策”についてもお話します。
体温が上がると血液の流れが良くなります。血液循環がスムーズになると、栄養と酸素をうまく体内に供給でき、かつ老廃物の排泄機能がアップ! さらに、体内に侵入したウイルスなどを排除する役割を担う白血球の機能が、正常に作用するようになります。
では、体温が下がると何が起こるのかというと、血流が悪くなり、血液のもつ免疫システムがうまく機能しなくなり、ウイルスや細菌に負けやすい体になってしまうのです。それはつまり、免疫力の低下を意味しています。それが原因で、風邪などの体調不良が引き起こされるのです。ちなみに、体温が1度下がると免疫力は30%低くなるといわれています。
若い人たちの平熱が低いのは、筋肉量の低下が原因といわれています。筋肉量の多い人は基礎代謝が高く、何もしなくても体が熱を生産し続けているため、平熱も高くなります。対して、筋肉量が少ないと体が生産する熱量が少なくなるので、平熱が低くなるだけではなく冷え性の原因にも……。そんな低体温や冷え性を改善するためには、筋肉量を増やすことが有効ですが、そのためには毎日継続して運動をすることが重要になります。筋肉はすぐに増えるものではないからです。仮に、1日30分のウォーキングをするのであれば、毎日、しかも何年も継続していく必要があるでしょう。
筋肉量を増やすことだけに注力していると、やはり時間がかかるもの。そこで、平行して取り入れたいのが基礎代謝を高める工夫を生活に取り入れること。
基礎代謝アップに役立つのは、アミノ酸の一種のALA(5-アミノレブリン酸)を体内に効率的に取り入れてあげることです。
ALAは、細胞内のミトコンドリアの中に存在し、私たちが活動するために使われるエネルギー生産の素となります。つまり、ALAを体内に取り入れることでミトコンドリアが活性化され、代謝が活発になり、体温がアップするというワケです。この、ALAは体内でも作られますが、年齢と共にその生産量は徐々に減ってしまうので、食べ物からも意識的に摂取しましょう。年齢を重ねることで減少するALAの合成を補うために、1日あたり約10~数10mgを摂取するのが適当だといわれています。この数値を目安に、いつもの食事に以下の食材をプラスしましょう!
ALAを多く含んでいる食べ物には、ほうれん草などの緑黄色野菜や黒酢、赤ワインなどがあります。これらを積極的に摂取することは、免疫力のアップにも役立ちます。