「疲労の原因」というと、真っ先に「乳酸」を思い浮かべるかもしれません。しかし疲労の原因は「乳酸」だけではなかったのです……。
私たちの体を動かすエネルギーは主として「糖」と「脂肪」から作られますが、そのうち「糖(血液中のグルコースと筋肉や肝臓のグリコーゲン)」を分解する過程で発生する物質が「乳酸」です。
本来、私たちの体は細胞内のミトコンドリア(細胞小器官)が、糖や脂肪を分解する際に作られる「ATP」という“エネルギーのカプセル”のような物質によって機能しています。このとき、糖の分解量がミトコンドリアで処理できる許容量を超えると、乳酸が発生してしまうのです。
よく、激しい運動をすると「乳酸が溜まる」などといわれますが、それは激しい運動では糖をたくさん必要とするから。
じつは、ミトコンドリアでの糖の処理量というのは、運動の強度に関わらず一定。つまり、運動強度が高くなり、糖の必要量が増えると、その一部が分解しきれず乳酸になり、疲労を引き起こします。
しかし、「ちょっとした運動ですぐに疲れてしまう」あるいは「若い頃に比べて、疲れやすくなった」……という人は、乳酸ではなく、ズバリ「ミトコンドリア」の機能が低下している可能性大。糖の分解を司る「ミトコンドリア」の機能が低下すると、当然のことながらエネルギーの生産効率は低下します。同時にミトコンドリアでの糖の処理量も低下するので、少しの運動でも乳酸が出やすくなり、結果的に疲れやすくなってしまうのです。
そんなミトコンドリアの機能低下予防に役立つのが「ALA(5-アミノレブリン酸)」というアミノ酸なのです。ALAは体内でも作られますが、10代をピークに体内での生産量は徐々に減っていきます。そのため、ALAを含む食材(ほうれん草などの緑黄色野菜や黒酢、赤ワインなど)を積極的に摂取し、体内に補うことが必要になるわけです。きちんとALAを取り入れることにより、エネルギー生産の効率が高まり、疲れにくい体へと導かれるでしょう。
疲労の原因は乳酸によるものだけではなく、体内のALA減少にともなうミトコンドリアの機能低下も考えられます。最近、疲れを感じるようになったという方は、つとめてALAを含む食材を摂るようにしたいですね!