こんなに様々な可能性を持ったアラプラスですが、体内で作られるALAの量は体が成熟する時期をピークに、その後は年齢の増加に従って、低下していきます。 特に現代社会の生活では、過労、ストレス、睡眠不足、飲酒、喫煙、運動不足、外食などによりミトコンドリアがダメージを受けることが多く、ALAの生産能力の低下が早まる傾向にあります。 それぞれの年齢に応じた十分なALAが供給されないと、ミトコンドリアのエネルギー生産能力が低下し、体温の低下や疲れ、老化を感じる原因の一つになると考えられています。 現代はより多くのALAが必要な時代といえるでしょう。
ALAはミトコンドリア内で生成されるため、動植物性の食品全般に含まれています。不足したALAは食品から摂取することができます。(右表) 動物性食品では、イカ、タコ、牛肉などに0.1 mg~0.8 mg/kg程度含まれており、植物性食品では緑黄色野菜に多く、ほうれん草や貝割れ大根、ピーマン、トマトなどに0.1 mg~0.5mg/kg程度含まれています。 また、ワイン、酢、日本酒などの発酵食品には、ALAが多く含まれており、特に、焼酎粕やビール酵母などの食品には、多く含まれています。現在、焼酎粕等から抽出したALA含有液を濃縮し、食品に添加する研究が進められています。
右図は、食物から摂取したALAの体内での様子を表しています。 私たちの身体の中では1日に600mgのALAが合成されています。ALAは形を変えてヘモグロビンやヘムたんぱく質として体内に約60~70 g常に存在し、尿によって、1日に2 mgのALAが排出されています。一方で、食物中から補給できているALAの量は、1日約0.05~2 mgと推定されており、十分にALAを摂取できていません。2mgのALAを摂取するためには、ほうれん草では12キログラム、ワインでは1リットルが必要です。バランスの良い食事を心がけても、1日に2mgを摂取するのは難しいのが実情です。 ALAについては効率的に摂取するために、サプリメントなどの食品の研究が進められており、今後の研究成果には注目が集まっています。